オスグッド病
《オスグット病の主な原因》
小学校高学年から中学生(10~15歳)くらいの成長期にあたる子供に頻発するスポーツ障害です。
練習のやりすぎによるオーバーユースや膝への負担が大きいサッカー、バスケットボール、野球などのスポーツで多くみられます。男女比では、男子に多いのが特徴です。
《オスグット発症のメカニズム》
この年代の子供達は、まだ骨が成長している時期で、脛の骨(脛骨)にも骨端線という軟骨の部分があります。
ジャンプやダッシュなどを繰り返すと、膝の曲げ伸ばしをする度に太ももの筋肉(大腿四頭筋)が縮んで硬くなり、軟骨部に強い牽引力が加わります。
骨端線(軟骨)は成長しきった大人の骨と比較すると弱く、筋肉によって過度に引っ張られることで炎症や剥離骨折につながります。
《オスグット病になりやすい方の特徴》
①大腿四頭筋の柔軟性の低下
太ももの前側にある大腿四頭筋は脛骨粗面に付着します。オーバーユースやストレッチ不足などにより大腿四頭筋が硬くなると脛骨粗面を強く引っ張ってしまうため、オスグット病を発症しやすくなります。当院でオスグット病の子供達を検査すると、約90%が大腿四頭筋の柔軟性に異常が見られます。
②股関節の柔軟性の低下
ジャンプ動作やしゃがむ動作は、スポーツにおいて頻繁に行う動作です。もともと身体が硬かったり、ストレッチ不足により股関節の可動域が悪いと、股関節が上手く機能せず膝関節が過剰に屈伸してしまい、オスグット病発症の原因になります。
オスグット病を根本改善するためには、股関節の可動域を改善し、運動の中で股関節が機能的に使えるようになることがオスグット病の改善と予防に必要となります。
③骨盤の歪み
近年、骨盤にゆがみを持つ子供が増えているように感じます。骨盤のゆがみ原因は長年の不良姿勢であることが多いため、骨盤のゆがみは本来大人に多いのですが、それが低年齢化しているという印象です。
自分の子供さんの座り方が悪かったり、猫背の姿勢になったりしていないでしょうか。
骨盤にゆがみが生じると、腰痛や肩こりといった症状を発症しやすくなりますが、オスグット病も例外ではありません。骨盤がゆがんでいると、膝を動かす太ももの筋肉を介し膝にかかるストレスを増加させます。
実際、当院でオスグット病の方の骨盤を検査すると、約半数以上の方に骨盤の異常が見つかります。その場合、膝だけの治療で症状が改善することはなく、早期改善・再発予防のために骨盤の調整が必ず必要となります。
④足部の機能異常
近年、足部・足首に機能異常がみられる子供達が増加しています。
土踏まずのアーチが低下した「扁平足」、膝を曲げると爪先が外を向き膝が内側に入り込む「knee in toe out」、かかとを地面に付けたまま深くしゃがめない「足首の可動域制限」などです。
運動の中で足首と膝は連動して動くため、足部・足首の機能異常は膝の負担を増加させオスグット病発症の原因となります。
子供の外遊びの時間が35年前と比べ30%以上減少しているというデータもあり、それが足部の機能異常を引き起こしている要因と考えられます。オスグット病の根本改善のためには、股関節同様足部の評価・機能改善が必要です。
⑤成長期の栄養不足
実は、現代の子供達の中には栄養不足に陥っている子が少なくありません。「タンパク質」「ビタミン」「鉄分」「カルシウム」「糖質」などの栄養のバランス、栄養の摂取量共に不足していると、骨や筋肉の発達不全や回復力の低下が起こり、オスグット病などの軟骨障害や骨折、肉離れ、捻挫、オーバーユース症候群などが発生しやすくなります。
当院では、患者様一人ひとりの身体のバランス・歪み・柔軟性・可動域・筋力・栄養バランス・栄養摂取量などを細かく評価し、状態に応じて最善の治療方法をご提案しております。
<当院での治療方法>
エコー検査(超音波画像検査)
初回検査時や経過観察にエコーによる観察を用います。エコー検査は、
手技治療
オスグッドに関連する腱・腱鞘・筋肉・筋膜・靭帯・骨膜の硬さや癒着を取り除く治療です。オスグッドは成長期のスポーツに力を入れている学生に多く見られる症状なので、その筋肉なども疲労により硬く・緊張しているケースが多く見られます。大腿部や下腿部の筋緊張を手技治療で取り除き、オスグッドの治療効果を高めます。
ハイボルテージ治療
ハイボルテージ療法は、高電圧電流による電流刺激を、皮膚に抵抗を与えずに深部組織まで到達させ、直接患部の炎症の抑制、痛みの軽減、治癒力の促進する治療法です。
従来の電気治療法に比べ、身体の奥深い患部への直接のアプローチができるため、非常に高い鎮痛効果と即効性が望めます。
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体外衝撃波治療(ショックウェーブ)
衝撃波を皮膚の上から患部に照射する治療法です。衝撃波は痛みの部位に照射され、そこに治療効果を生じさせます。当院では筋肉、腱、靭帯、骨膜、軟骨など多くの部位に治療が可能で疼痛改善に効果が期待できます。
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低出力超音波パルス療法(LIPUS治療)
LIPUS(リーパス)とは低出力パルス超音波療法(Low intensity pulsed ultrasound)の略で、骨折治癒を促進させることのできる今までにない最新の治療法です。LIPUSは、患部に微弱な超音波を断続的(1万分の2秒照射して1万分の8秒休止する照射サイクル)に照射することで、患部の治癒能力を高めることができます。対応疾患として、骨折、捻挫、筋、腱などの軟部組織の損傷、オスグッド病、シーバー病、早期の離断性骨軟骨炎などの骨端症に効果的です。
低出力超音波パルス療法(リーパス治療)について詳しくはこちらへ
とっとり中央整骨院は、患者様一人ひとりの状態に合わせた「完全オーダーメイド施術」で、一時的な症状緩和ではなく根本治癒を目的とした治療を行っております。
5万件を超える豊富な施術経験から編み出された当院独自の治療法「頭蓋仙骨矯正」などで、お身体を最良の状態に導いていきます。
些細な症状でもお早めにご相談ください。